2018年夏。平成最後の夏。
今年は予想しなかった天災が多く
平成の記憶にも記録にも残る夏になる事は間違いないだろう。
今日も容赦なく浴びせられる日差しで
ぐんぐん気温が上昇するお盆中頃。
世間は少しずつ帰省からのUターンの意識をしつつ
精一杯悔いなく満喫している頃だろうか。
僕は今尾道にいて昨日は鞆の浦に行ったところだ。
鞆の浦は港を囲んだ昔ながらの街並が今でも残っているところで
様々な映画やドラマのロケ地となっている。
崖の上のポニョとか清く柔くとか銀魂とか…
聖地巡礼という言葉が流行っているがそもそもは宗教的に重要な聖地に赴く事だ。
この言葉が宗教の枠の外で流行りだしたのは
日本のアニメやドラマ、あと韓流ドラマの影響だろう。
しかし僕は連続長編番組を見続ける根気がないので
ドラマやアニメにのめり込んだことをきっかけに
旅先に訪れた事は今までに1カ所もない。
そんな僕でもさすがに世界的に有名なスタジオジブリの作品なら知っている。
どこをモデルにしたって事もいつの間にか耳に入ってきていて
多少なりそれを意識して来ている気がする。
この旅は僕にとって初めての聖地巡礼になるのかな?
そんな事を考えながら町を散策した。
(ちなみに崖の上のポニョの映画は見ていません。笑)
鞆の浦は福山駅からバスが出ている。
道中は芦田川を左にしてバスは走り続ける。
20分ほどで海が見えて30分ほどで終点の鞆港か1つ手前の鞆の浦で降りる。
鞆の浦で下車した瞬間にうっすらと潮の香りが漂って
福山のコンクリートビルの景色とは全く異なった景観が一気に
旅気分に運んでくれる。
海岸線沿いを歩いたら港が見えてきた。
ポニョの事は忘れようと思った
街に着いてわかった事は全然聖地巡礼を押し出していなかった。(以下、
聖地巡礼を全てポニョで例える。)
そして押し出さなくても全く問題ないぐらいに十分に魅力的な情処だ。
むしろポニョを意識しているのは自分の方だ。
町中がポニョのイラストだらけで
ポニョマスコットが飾られまくっていて
ここぞとばかりに観光アピールをするのではないかと
思っていたがそんな予想は裏切られた。
そもそも僕はポニョを見ていないのにポニョばかり意識して
ポニョを求めてやってくるなんておこがましい他ない!
まぁ聖地巡礼が映画に出てきた印象深い景色やシーンを楽しむのが目的だ。
アニメやドラマのテーマパーク化ではない。
僕はそもそも映画を見ていないので景色に思い入れがない。
少し歩いてポニョの事は忘れようと思った。
街並はどこをつまんで見てもノスタルジックで
今でも昔からの営みをそのままの建物で続けているお店が多い。
ついつい曲がり道したくなる路地裏がたくさんある。
路地裏には引力がある。
怪しげで何があるかわからない。
それは期待と不安の両方の成分がミックスされた好奇心の量が
多ければ多いほど強く引き寄せられる。
この路地裏を行ったらめちゃくちゃ古風な家屋が出てくるんじゃないか?
居心地の良さそうな隠れカフェがあるのではないか?
鞆の浦の道ではあちこちに引力が巻き起こっている。
僕の経験上昔ながらの街並の観光地と言ったら必ずと言っていいほど
古民家リノベーションカフェがある。
これはもはや観光地当然の摂理のような気もするが
歩けばちらほらと現れるオシャレなカフェたち。
この日も相当暑かったので散策しては涼を求めてお店に入った。
鞆の浦のシンボルである常夜燈の隣にある@cafe
ティーソーダ飲んで回復した。
店員さんはお客さんが訪れる度に丸いテーブルに座る様お願いしていたが
みんなあんまり言う事聞かずにソファに座っていたよね。
(まぁゆったりしたいよね。)
ちなみに内装もオシャレです。
古民家カフェはどこにだって様になる。無敵だ。
再び散策。
保命酒(薬用酒)の街

街の中には現在も稼働している保命酒屋がたくさんあった。
保命酒とは薬草をリキュールで漬けたお酒で瀬戸内の養命酒と言われており
鞆の浦ならではのお土産になっているらしい。
忘れていたポニョがたくさん出てきた
最後に数あるお店の中から直感で選んだカフェは茶屋蔵。
そこで完全に忘れつつあるあいつがめっちゃいた。
ポニョ!
この店だけめっちゃポニョ押しだ。
スクリーンの奥の赤いスペースにはポニョの展示がたくさん。
どうした、茶屋蔵!?
店主さんは静かなるポーカーフェイスの割には
お店はめちゃくちゃポニョ推し。
子供はめっちゃはしゃぐ。(そりゃそうだろうな。)
そもそも内装はめちゃくちゃカッコいい。
何年前に建てられたのだろう?
個人的には梁やこの複雑に交差した天井が最高に良かった。
ハンバーガーと福山コーラを食しながら
なんとなく無音で流れているポニョの映画を見ていて
「あぁ、さっき通り過ぎたサロンがポニョで出てきた幼稚園かな〜」だとか
「あの奥の高台は神社のあったところかな〜」とか思って見ていた。
ポニョを求めて来るなら茶屋蔵はマストだ。
鞆の浦はロケ地の前から十分に聖地だった
鞆の浦は潮待ち風待ちの港として
人々の交流が盛んになり繁栄した歴史があり、
美しい街並からも日本で最初の国立公園になっている。
全くロケ地として売り込まなくても十分に魅力あり歴史的価値ある土地だった。
都会の日常の生活では無いような
ゆっくりとした時間の流れを感じて
失われた昔ながらの文化を味わいに訪れるなら最高の場所だ。
きっと何か懐かしさや感情を移入して帰れるハズ。